プールで飲み物を飲む女性

コラム

プール後の肌荒れ・髪のダメージを防ぐケア方法まとめ

夏のプールは気持ちがよく、子どもも大人も夢中になって楽しめるレジャーの定番です。しかし、プールから上がった後に「肌がカサカサする」「髪がキシキシして指が通らない」といった経験をしたことがある方は多いのではないでしょうか。

その原因の大半は、プールの水に含まれる塩素(次亜塩素酸ナトリウムなど)にあります。塩素は不特定多数が利用するプールの水を衛生的に保つために欠かせないものですが、肌や髪にとっては大きな負担になりえます。加えて、屋外プールでは紫外線のダメージも加わるため、何もケアをしないまま帰宅すると、乾燥やかゆみ、ごわつきなどのトラブルが長引くことも珍しくありません。

ただし、正しい知識をもとにプール前・プール後のケアを行えば、こうしたトラブルはかなり軽減できます。ここでは、プールによる肌荒れと髪のダメージが起こるメカニズムから、具体的な予防策・アフターケアの方法までまとめています。プール通いが増える夏場はもちろん、スイミングスクールに通っている方も日々のケアに役立ててみてください。

プールで肌荒れ・髪が傷む原因

塩素が肌と髪のバリアを壊すメカニズム

プールの水には、殺菌のために塩素系消毒剤が溶かされています。日本の遊泳用プールの塩素濃度基準は0.4~1.0mg/Lとされており、水道水(0.1mg/L以上)と比べると数倍から10倍近い濃度になることもあります。

人間の肌は弱酸性の皮脂膜で守られていますが、塩素にはタンパク質を酸化させる作用があり、この皮脂膜や角質層のケラチン(タンパク質)にダメージを与えます。バリア機能が壊れた肌は水分が蒸発しやすくなり、外部刺激も侵入しやすくなるため、乾燥・かゆみ・赤み・湿疹といった肌トラブルを引き起こします。

髪にも同様の影響があります。塩素はキューティクルを構成するタンパク質を変質させ、表面のなめらかさを失わせます。キューティクルが開いた状態では髪内部のタンパク質や色素が流出しやすくなるため、パサつき・ごわつき・色落ちといった症状に直結します。

紫外線によるダブルダメージ

屋外プールの場合、塩素に加えて紫外線の影響も見逃せません。水面は紫外線を10~20%反射するとされ、アスファルト(約10%)よりも強い照り返しを受けます。つまり、プールの中にいても上と下の両方から紫外線を浴びている状態です。

塩素でバリアが弱まった肌に強い紫外線が当たると、炎症やシミの原因になりやすく、ダメージが重なって回復にも時間がかかります。髪も濡れた状態ではキューティクルが開いており、紫外線の影響をより受けやすくなっています。

その他の見落としがちな要因

塩素と紫外線以外にも、プールでの肌・髪トラブルを悪化させる要因がいくつかあります。

  • 温水プールの水温が皮脂を溶かし出し、乾燥を加速させる
  • 水中でふやけた皮膚は摩擦に弱く、タオルでの拭き取り時にダメージを受けやすい
  • プールサイドやビート板などの共有物に付着した雑菌が、バリア機能が低下した肌に感染リスクをもたらす
  • 室内プールでは結合残留塩素(クロラミン)が空気中に滞留し、水に触れていない部分の肌にも影響が及ぶことがある

【プール前】肌と髪を守る事前対策

プールに入ってからのケアも大切ですが、実は入る前の準備でダメージの大きさがかなり変わります。手軽にできるものばかりなので、習慣にしてしまうのがおすすめです。

肌の事前対策

対策 具体的な方法 ポイント
日焼け止めを塗る ウォータープルーフ処方・SPF50+/PA++++のものを選び、プールに入る20~30分前に塗布する UV耐水性★★の表示があるものが水に浸かるシーンには適している。施設によっては日焼け止め禁止の場合もあるので事前確認を
ワセリンで保護する 肘の内側・膝の裏・首まわりなど乾燥しやすい部位に薄く塗る 皮膚科でもすすめられることがある方法。敏感肌やアトピー肌の方に向いている
ラッシュガードを着用する 長袖タイプで肌の露出面積を減らす 日焼け止めが使えないプールや、子どもの学校プール授業でも取り入れやすい

日焼け止めの選び方としては、水に濡れてもUVカット効果が持続しやすい「UV耐水性★★」の表示があるものを選ぶと安心です。2022年12月以降、耐水性表示が導入され、商品ごとの水への強さを比較しやすくなっています。肌が敏感な方は、紫外線吸収剤不使用(ノンケミカル)かつアルコールフリーの低刺激タイプを選ぶとよいでしょう。

髪の事前対策

髪にも入水前にできる対策があります。とくに効果的なのは次の3つです。

  • プールに入る前にシャワーで髪をたっぷり濡らす:髪が先に真水を吸収していれば、塩素水を吸い込む量が減り、内部への浸透を抑えられる
  • 洗い流さないトリートメント(アウトバストリートメント)やヘアオイルを薄く塗布する:油分が髪の表面をコーティングし、塩素との直接接触を軽減する。ただし、つけすぎるとプールの水を汚す原因になるため、少量を毛先中心になじませる程度にとどめる
  • ゴム製(シリコン製)のスイムキャップをかぶる:メッシュタイプよりも水の侵入を防げるため、髪への塩素ダメージを大幅に軽減できる

カラーリングをしている髪は塩素の影響を特に受けやすく、退色が進みやすくなります。染めたての髪でプールに入る場合は、上記の対策を組み合わせて実施するのが安心です。

【プール後】肌のアフターケア

プールから上がった直後の数分間が、その後の肌の状態を左右する重要な時間です。塩素は時間が経つほど肌に浸透してダメージが深くなるため、とにかく早くケアを始めることが大切です。

ステップ1:真水でしっかり洗い流す

プールから出たら、まず何よりも先にシャワーで全身を洗い流しましょう。このとき意識したいのは、塩素が溜まりやすい部分を丁寧にすすぐことです。

  • 髪の生え際・耳の後ろ
  • 指の間・爪の周囲
  • 膝の裏・肘の内側
  • 水着のライン(ゴムが密着していた部分)

このときシャワーの温度はぬるめ(38℃前後)にするのがベターです。熱いお湯は残った皮脂まで洗い流してしまい、乾燥をさらに悪化させる原因になります。

ステップ2:やさしく洗う

ボディソープや石けんを使う場合は、泡立てネットなどでしっかり泡を作り、手のひらでなでるように洗います。塩素で弱った肌をゴシゴシこするのは厳禁です。タオルやスポンジでの摩擦もふやけた角質をはがしてしまうため、できるだけ手洗いが望ましいでしょう。

洗浄力が強すぎるボディソープは、残った皮脂まで奪ってバリア機能の回復を遅らせます。低刺激・弱酸性タイプのものを選ぶと安心です。

ステップ3:すばやく保湿する

体を拭いたらできるだけ早く保湿ケアに入ります。タオルで拭く際も、ゴシゴシこすらず「押さえるように水分を吸い取る」イメージで行いましょう。

保湿剤を選ぶときのポイントは、バリア機能の修復を助ける成分が入っているかどうかです。

成分 期待できる働き
セラミド 角質層の細胞間脂質を補い、バリア機能を立て直す
ヒアルロン酸 水分を保持し、肌表面のうるおいを維持する
ワセリン 肌表面に油膜を作り、水分の蒸発を物理的に防ぐ
グリチルリチン酸ジカリウム 炎症を抑え、赤みやかゆみを和らげる(医薬部外品の有効成分として配合されることが多い)

顔は化粧水で水分を補給してから乳液やクリームで蓋をする、というステップが理想的です。体はボディローションやボディミルクを全身に塗り、とくに乾燥しやすい肘・膝・すねを重点的にケアします。

敏感肌や子どもの肌には、無香料・無着色・アルコールフリーの低刺激処方の保湿剤が適しています。

日焼けしてしまった場合のケア

屋外プールで日焼けをしてしまった場合は、保湿の前にまず患部を冷やすことが優先です。流水や冷たい濡れタオルで肌の熱を取り、炎症が落ち着いてから保湿剤を塗布します。日焼け後の肌はやけどに近い状態なので、パッティングや叩くような塗り方は避け、そっと押さえるようになじませましょう。

赤みやヒリつきが強い場合は市販の保湿剤だけで対処しようとせず、皮膚科を受診してください。

【プール後】髪のアフターケア

髪のケアも肌と同じく、プールから上がったらできるだけ早く塩素を落とすことが最優先です。髪に塩素が残ったまま時間が経つと、ダメージがどんどん蓄積されていきます。

ステップ1:すぐにシャワーですすぐ

プールサイドのシャワーでも構わないので、まずは真水で髪全体を丁寧にすすぎます。可能であればこの段階でシャンプーまで済ませるのが理想です。

ステップ2:シャンプー+トリートメント

シャンプーはダメージケア向けやアミノ酸系の低刺激タイプがおすすめです。塩素でアルカリ性に傾いた髪を弱酸性に戻すことを意識しましょう。プールの水のpHはおよそ7.8前後のアルカリ性で、これはパーマやカラーの施術中と同程度の数値ともいわれています。

シャンプー後はトリートメントやコンディショナーで水分と油分を補給します。ダメージがひどいと感じる日は、5分程度置いてから洗い流すと成分が浸透しやすくなります。週1~2回はディープトリートメント(ヘアマスクなど)を取り入れるとより効果的です。

ステップ3:ドライ+アウトバストリートメント

タオルドライ後、洗い流さないトリートメント(ヘアオイルやヘアミルク)を毛先中心につけてからドライヤーで乾かします。濡れたままの髪はキューティクルが開いたままで非常に傷みやすいため、自然乾燥は避けましょう。

ドライヤーを使うときは、まず根元から乾かし、毛先は最後に。温風と冷風を交互に当てるとキューティクルが閉じやすくなり、ツヤのある仕上がりになります。

すぐに髪を洗えないときの応急処置

学校のプール授業後やレジャー施設でシャンプーができない場面もあります。その場合は以下の応急処置をしておくだけでもダメージの進行を抑えられます。

  • 真水でできる限り丁寧にすすぐ(最低でもこれだけは行う)
  • 洗い流さないトリートメントを持参し、すすいだ後の髪になじませる
  • 帰宅後にできるだけ早くシャンプー+トリートメントを行う

大人と子どもで異なる注意点

子どもの肌ケアで気をつけたいこと

子どもの肌は大人に比べて皮膚が薄く、バリア機能が未熟です。そのため、塩素の影響をより受けやすい傾向があります。学校のプール授業では日焼け止めが使えないケースも多いため、ラッシュガードの着用やプール後の保湿ケアがとくに重要になります。

帰宅後はシャワーで塩素を洗い流してから、低刺激の保湿ローションやクリームを塗ってあげましょう。セラミド配合の保湿剤や、医薬部外品の薬用保湿クリームは、バリア機能のサポートに適しています。かゆみが出ている場合は無理に我慢させず、早めに皮膚科へ相談するのが安心です。

敏感肌・アトピー肌の方へ

アトピー性皮膚炎の方は「プールに入ってよいのか」と不安に思う方もいるかもしれません。実は、水泳はアトピー肌にとって比較的取り組みやすい運動とされています。汗をかいてもプールの水で流されるため、汗による悪化が起きにくいという利点があるためです。

ただし、以下のような状態のときは入水を控えたほうがよいでしょう。

  • 炎症がひどく、強いかゆみがある場合
  • 傷やジュクジュクした部分がある場合(感染リスクが高い)
  • とびひなどの合併症がある場合

入水する場合は、事前にワセリンで肌を保護し、プール後はシャワーで塩素を落としてからすぐに保湿剤を塗り直す、という流れを徹底しましょう。症状が安定しないときは、かかりつけの皮膚科医に相談してからプールに入るかどうか判断するのが安全です。

プール後のケアチェックリスト

ここまでの内容を、プールから上がった後の流れに沿って一覧にまとめました。

順番 ケア内容
1 プールから出たらすぐにシャワー(ぬるま湯)で全身をすすぐ
2 低刺激のソープ・シャンプーでやさしく洗う
3 トリートメント・コンディショナーで補修する
4 タオルで押さえるように水分を取る(こすらない)
5 化粧水+乳液、またはボディローション・クリームで保湿する
6 洗い流さないトリートメント・ヘアオイルをなじませる
7 ドライヤーでしっかり乾かす
8 日焼けした場合は冷却→保湿の順でケアする

すべてを完璧にこなすのが難しい場面もありますが、「シャワーで塩素を洗い流す」「早めに保湿する」という2点だけでも意識するだけで、肌と髪の状態は大きく変わります。

日常的に取り入れたい習慣

プールを定期的に利用する方は、プール前後のケアだけでなく日頃からの習慣も見直しておくと、ダメージの蓄積を防ぎやすくなります。

肌のベースケア

毎日の保湿を丁寧に行い、肌のバリア機能を高い状態に保っておくことが基本です。バリアが整った肌は塩素のダメージを受けにくくなります。夏場は汗で肌がうるおっているように感じやすいですが、エアコンや紫外線の影響で角質層の水分は不足しがちです。

髪の日常ケア

ダメージケア向けのシャンプー・トリートメントを日常使いし、髪の内部にしっかり水分と栄養を蓄えておくことが大切です。もともと傷んでいる髪は塩素の影響をさらに受けやすくなるため、ベースのコンディションを整えておくことが防御力の底上げにつながります。

また、自宅のシャワーヘッドを塩素除去タイプに交換するのも一つの方法です。プールだけでなく日々のシャワーの塩素負荷を減らせるため、髪のコンディション維持に役立ちます。

内側からのケア

肌や髪を作る材料であるタンパク質、ビタミン(とくにビタミンC・E)、亜鉛、鉄分などの栄養素をバランスよく摂ることも、ダメージからの回復をサポートします。特別なサプリメントが必要というわけではなく、肉・魚・卵・大豆製品・野菜・果物をバランスよく食べることが基本です。

こんな症状が出たら皮膚科へ

セルフケアで対応できる範囲を超えている場合は、早めに皮膚科を受診しましょう。以下のような症状は市販の保湿剤だけでは改善しにくいケースがあります。

  • 赤みやかゆみが数日経っても引かない
  • 水ぶくれやジュクジュクした湿疹が広がっている
  • かゆみのために夜眠れない
  • とびひのように他の部位へ広がっている兆候がある
  • 頭皮の強いかゆみやフケが止まらない

プールの塩素による肌トラブルは「そのうち治るだろう」と放置されがちですが、バリア機能が低下した状態が続くと二次感染のリスクも高まります。違和感を覚えたら、自己判断で長引かせず専門家に相談することが結果的に早い回復につながります。

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